The Chronicles of Asahi Press06

日本学術資料総目録83年度版

FIRST PUBLISHED IN 1983

本が、データ・ベースのペルソナになった。

今日、世界の文化は、汎地球的な規模で、文明の大転換期を経験しているというべきでしょうか。美の公準は遷り、真理は問いなおされ、思考の様式は自らをずらし、学問の方法は組みかえられようとしています。
文明によりそって、数千年の歴史を生き続けてきた、書物もまた、その形態と機能とあり方とを、変えることになるかもしれません。
私どもはここに、未来の書物、来るべき書物のアルケーを胚胎した、実験的書物、『日本学術資料総目録』を企画いたしました。
これは、18世紀にディドロとダランベールによって著わされた『大百科全書』にとって代わる、21世紀の<知>の総合カタログとなるべき書物です。
人類の美の営みの痕跡や思考の歴史を畳みこみ、書物という名の知の集蔵体をのみこんだ、文化的学術的資料の集大成となるはずです。さしあたり、この実験的書物は、日本国内の博物館が所蔵する、美術工芸品と書跡・典籍・古文書の総目録として、第一歩を記します。
各博物館が公刊した所蔵品目録と所蔵品台帳に記載されている全所蔵品と、それに関するデータをコード化してデーダ・ベースにたくわえ、このうち作品名・作者名・素材・寸法・年代など、最小限のデータを出力して印刷したものが,『日本学術資料総目録』です。

Archive

  • 日本学術資料総目録 1983年度版 美術工芸

    • 市古貞次/関野克/米澤嘉圃

    美術工芸篇には、国内博物館が所蔵する絵画、彫刻、建築、金工、刀剣など武器武具、漆工、染織、陶磁、考古の各作品を収める。なお、建造物および考古資料は、原則として国および都道府県指定文化財にかぎった。

  • 日本学術資料総目録 1983年度版 書跡・典籍・古文書

    • 市古貞次/関野克/米澤嘉圃

    書跡・典籍・古文書篇には、国内博物館が所蔵する書跡・典籍・古文書を収録した。それぞれの作品について、作者名、材質、技法、数量、成立年代など基本的データを載せ、国宝、重要文化財、重要美術品、都道府県指定文化財の別を示した。