The Chronicles of Asahi Press04

モノンクル

FIRST PUBLISHED IN 1981

ちょっとこっちへおいでよ
君の心について話そうよ

『mon oncle(モノンクル)』──フランス語で「ぼくのおじさん」という意味です。
1981年、48歳の伊丹十三氏が心理学者であり精神分析家の岸田秀さんとの出会いをきっかけに、自らが責任編集し、当時関心を深めていた精神分析をテーマにさまざまな話題を提供する雑誌を創刊。「ボクのおじさん」という誌名のとおり、親とは違う風通しのよい関係、話し言葉で、同時代の課題を捉えようとする画期的な企画でした。
創刊号には、自身はもちろん、岸田秀さんをはじめ、精神科医の福島章さん、糸井重里さん、南伸坊さん、栗本慎一郎さん、赤瀬川原平さん、タモリさん、YMOの3人、玉村豊男さん、ますむらひろしさん、寺山修司さん、田中小実昌さん、浅井愼平さん、萩尾望都さん、蓮實重彦さん、村松友視さんなど、そうそうたるメンバーが名を連ねています。
こうして華々しく立ち上がった『mon oncle(モノンクル)』ですが、残念ながら6号で休刊。最終号となった6号の最終ページの「編集長からのお知らせ」では、
<「内容とイレモノがあっていない」という無理が次第に強くなってきました。「モノンクル」は理論的な雑誌ですから、どうしても読む雑誌にならざるをえない。それをパラパラと見て楽しむためのイレモノにいれたのがどうも失敗であった。じっくり読みたい人と、パラパラ見たい人と両方に異和感を与えてしまった。ヨシ、それでは思いきってイレモノを変えてみよう、というので次号から「モノンクル」は「読む雑誌」というイレモノの中で花を咲かせてみることにします。新しいイレモノ第一号のテーマは「笑い」。どうぞおたのしみに。>
と、いわゆるリニューアル宣言が記されていましたが、ついに7号が発行されることはありませんでした。

Archive

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    • 伊丹十三責任編集

    幼時記憶 家と家具 宝石と王と錬金術 寺山修司・種村季弘・磯崎新・谷川俊太郎・四方田犬彦…他