お知らせ

朝日出版社経営陣からM&Aについての緊急のお知らせ

「緊急のお知らせ」の追記(2024/10/24)

10月21日に公開した「朝日出版社経営陣からM&Aについての緊急のお知らせ」に関しての追記です。
同文書中では固有名詞の記載を一部控えましたが、すでに報道等により公知となっておりますので、下記であることをここに明記いたします。

買い手候補= 合同会社戸田事務所
株主さまのFA= マクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社

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朝日出版社経営陣からM&Aについての緊急のお知らせ

朝日出版社(および系列のブックマン社)は、今、M&Aにまつわる問題に直面しています。以下、驚かれる面もあるかと思いますが、ご説明させていただきます。

なお、小社のM&A(株式譲渡)のお話は、基本的には株主さまのご都合から生じたものです。経営不振による会社売却などではありませんので、その点はご安心くださいますよう、あらかじめ申し添えておきます。

20234月、小社の創業者である会長・原雅久が亡くなりました。20代で起業し、80代で病没するその直前まで、情熱を持って仕事をしておりました。
小社の株は創業者が100%保有しており、遺言は見つからず、法定相続人であるご家族(2名)がお持ちになることになりました。

社長の小川洋一郎は、ご相続の当初、株主さまより「会社のことはおまかせします」と言われていたのですが、20245月、株式売却の話が具体的に進んでいることを知らされました。買い手候補は多くのM&Aを手掛けている会社ですが、傘下にあるのは食品系や物流系が主で、出版業との縁は薄いようでした。

 小社経営陣は、買い手候補や株主さまと話し合いを重ねる中で、朝日出版社が事業を続けていく上で適切な買い手ではないのではないか、という思いを強くしていきました。提示された買取価格も小川らの感覚ではかなり低く、株主さまのFA(フィナンシャルアドバイザー)が買い手探しにどれだけ尽力したのか疑いたくなるほどでした。そこで株主さまに他の候補を探させていただくよう何度もお願いしましたが、聞き入れていただけませんでした。取締役会もこの株式譲渡に全員一致で反対いたしましたが、譲渡契約のための手続きは着々と進んでいるようでした。

 一方、株式譲渡と同時に、株主さま2名が現在お住まいの小社社宅を、株主さまが買い取りたいというお話もありました。売り手は小社、買い手は株主さま2名のうちの1名、という不動産売買契約書が株主さま側弁護士によって作成され、社長の小川に署名捺印を求めてこられました。ただ、その要求をされたのは名義上の買い手ではないほうの株主さまであったため、小川は買い手ご本人に直接の意思確認をさせていただきたいと何度もお願いいたしました。しかし、お願いはかたくなに拒否され続け、紆余曲折を経た2024 911日、小川をはじめとした取締役6名全員が突如、解任を告げられました。

同日、新たな取締役3名が就任したとされていますが、うち2名は株主さまで、代表となったもう1名は社員が全く知らない方でした。経歴も素性も明かされておらず、直接の連絡方法さえ開示されていません。しかも、就任したとされる日から現在に至るまで1カ月以上にわたって、3名とも一度も出社されていません。

 これは異常な状態といえますが、小川ら6名がこれまで通り業務を取り仕切ることで、会社は変わりなく運営できています。

 その一方で、小川ら6名は 、解任されたとする株主総会には手続き上の重大な問題があると考えています。

911日に解任を告げる際、株主さまの代理人は「本日、株主総会が開かれた」という説明をしていましたが、その後、「みなし決議によって取締役6名の解任と新取締役3名の選任がなされた」と説明が変更されています。みなし決議は書面決議とも呼ばれますが、株主総会を実際に開く代わりに、株主全員が議案への同意書を提出することによって決議が成立したとみなすものです。したがって同意書が重要なのですが、小川らが求めてもその開示はなされず、だれがどこに保管しているのかさえ明らかにされていません。

こうした事情から、小川ら6名は、株主総会決議の不存在もしくは無効の訴訟を近々起こすべく、弁護士の先生方にご相談しながら準備を進めています。

 また、小社の過半数の従業員で構成される労働組合が新取締役3名に団体交渉を再三要求したが、法律の定めに反して3名とも全く応じていないと聞き及びます。組合は納得しがたい状況に憤り、不当労働行為の申し立てをはじめ、さまざまな形で世に向けて訴え出ようとしているようです。

ですので、小社の現状は近日中に多くの方々の知るところになるかと思います。
今後について「全く心配ご無用」とまでは申し上げませんが、上述のように現在も業務は通常通り行っていますし、一時的な混乱があったとしても状況は改善され、安定していくものと考えています。
そうなるために、今も会社運営の責を担う小川ら6名はあらゆる努力をしていく覚悟でおりますし、社員のみなさまも一致協力して業務に励んでくださっています。また、幸い、さまざまな面で助力を申し出てくださる企業さまもあります。

 ただ、周囲のみなさまのお力添えなしにわれわれが成し得ることはないと心しています。

著者・翻訳者の方々や教科書採用してくださっている先生方、小社の書籍や雑誌を手に取ってくださる読者のみなさま、印刷・製本・用紙などの業者の方々やDTP・校正・校閲・デザイン・写真・イラスト・録音などで本づくりを支えてくださる方々、さらには小社刊行物を読者に手渡してくださる書店のみなさま、その書店と出版社とをつなぐ取次会社の方々――そうしたみなさまにはご心配をおかけしますこと深くお詫びするとともに、勝手ながら変わらぬご理解とご支援をお願いする次第です。

 なお、株式譲渡も不動産売買もいまだ成立していないものと、われわれは認識しています。みなさまには今後を見守っていただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

20241021

株式会社朝日出版社 代表取締役社長・小川洋一郎
常務取締役・小野田輝夫
常務取締役・中西 陸夫
常務取締役・津金 秀和
常務取締役・菅沼 通根
常務取締役・山田 敏之
(肩書は解任を無効とみなした場合のものです)