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叢書科学の名著タイトル

叢書「科学の名著」電子書籍版刊行!


【監修委員】 彌永昌吉/川喜田愛郎/藪内清/山内恭彦/渡辺格
【編集委員】 伊東俊太郎/坂本賢三/長野敬/村上陽一郎/矢野道雄

このたび、小社では、1980年代に刊行し、ながらく入手困難だった叢書「科学の名著」を、電子書籍の形式で復刊いたしました。

■ 叢書「科学の名著」創刊に向けて(1980年創刊時の刊行の辞)

科学とは「知」の全体であった。

いま、それはおおむね「自然学Physics」をさすけれども、観察と実験に基づいて、自然に内在する法則を識る科学とは、いわば自然界の事物を自らの影・模造たらしめている永遠の「イデア」に至る、ひとつの方法であろう。

じっさい「自然科学」は、近代に発生した価値の体系の中にあるのだ。

科学の歴史とは、知のゲシュタルトとしてのエヒステーメー(原文ママ)の哲学的分析のための実験室ではないだろうか。

ここに、科学の古典的名著を、精緻なテキスト・クリティクを経て、日本語に翻訳しようという試みは、次のようなひそかな願いのもとに行われる「知」のアルケオロジーの実践である。

まず、哲学史、科学史に頻繁に言及され引用されながら、現実には手にする機会の得難い原典を、日本語に移しかえて読者に提供する。

これは古典文献学、アラビア学などの世界的な最新の成果を動員してはじめてよくなしうる作業であろう。

またこれから古典的名著を研究室の奥処から、広く「知」の今日の状況の中に解き放つ。

こうして科学史のみならず科学自身が変貌するための、いや転換しようとしている「知の全体」にはたらきかける、ささやかな梃子にこそなりたいと考えるのである。


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