放射線のひみつ
放射線のひみつ
正しく理解し、この時代を生き延びるための30の解説
東大病院 放射線科准教授/緩和ケア診療部長 中川恵一 著 / 寄藤文平 イラスト
定価: 990円(本体900円+税)
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福島第一原発の事故は、いまだ予断を許しません。
放射線による被ばくの影響とは?
発がんリスクの上昇とは?
ただちに健康に影響のあるレベルではない、とは?
Twitterフォロワー24万人の
「東大病院放射線治療チーム」の代表が、
不安や疑問にお答えします。
──原発事故があっても人は生きていく。
[イラスト]
寄藤文平氏の描き下ろし30点を掲載。
「まえがき」より
この本では、放射線とはいったい何ものか、放射線と放射能の違い、被ばくには「外部被ばく」と「内部被ばく」があること、全身被ばくと局所被ばくの区別、どのくらいの放射線をあびると体に悪影響があるのか、チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故で住民に何が起こったのか、発がんリスクが上昇するとはどういうことなのか、そもそもがんとは何か、「ただちに健康に影響のあるレベルではない」とは何を指すか、こうしたことをわかりやすく解説するつもりです。
目次
目次
まえがき──原発事故と放射線
第一章──言葉と単位、これだけは!
1. 放射線を語るための「言葉」から始めましょう。
2. 「被ばく(被曝)」は「被爆」ではありません。
3. 「放射能がやって来る!」はまちがいです。
4. 放射線・放射能・放射性物質──ロウソクの話。
5. 「シーベルト」は放射線が人間の体に与える影響を示す単位。
6. 「ミリ」「マイクロ」は「千分の1」「百万分の1」を表します。
7. 「シーベルト/シーベルト毎時」は「距離/速度」の関係。
8. 放射線の単位の使い分け──「ベクレル」と「グレイ」。
9. 放射線が変われば、人体への影響に違いが出てきます。
10. 100~150ミリシーベルト(積算)がリスク判断の基準です。
第二章 放射線を「正しく怖がる」
11. 放射線は身の回りにあります。
12. 放射線は、ありなし(白黒)ではなく、強さと量が問題です。
13. 放射線をあびる「範囲」も大事です──局所被ばくと全身被ばく。
14. 放射線の影響は、「花粉」をイメージするとわかりやすい。
15. 「花粉」と同じで、放射線の量と飛ぶ方向が大事。
16. 放射線の防護対策は「花粉症対策」に似ています。
17. 38億年間、生物は放射線の中で生きてきました。
18. 放射線により遺伝子がキズを受ける──確率的影響。
19. 放射線のダメージで細胞が死ぬ──確定的影響。
20. 発がんの仕組みについて──細胞のコピーミス。
第三章 ニュースから読み取るポイント
21. 「いつ・どこで・どんなものが・どの期間」に注目する。
22. 「100ミリシーベルトで0.5%」のとらえ方 その1
23. 「100ミリシーベルトで0.5%」のとらえ方 その2
24. 私たちの生活はリスクに満ちている
25. 発がんリスクの代表例──甲状腺がんの基礎知識。
26. チェルノブイリ、スリーマイル島で起きた健康被害。
27. がんの放射線治療にみる放射線の影響。
28. 飲み物、食べ物、そして“土壌”の影響──外部被ばく+内部被ばく。
29. 妊婦と乳幼児への影響、それ以外の成人への影響。
30. 安全性の考え方──基準値は何のため?
大切ですが、少しむずかしい解説 放射線防護の考え方
飯舘村の思想
おわりに
付録:
覚えておきたい数字と単位
覚えておきたい計算方法