岐路の前にいる君たちに~鷲田清一 式辞集~

  • 岐路の前にいる君たちに<br>~鷲田清一 式辞集~
    岐路の前にいる君たちに<br>~鷲田清一 式辞集~
判型:四六判 / ページ数:192ページ / ISBN:9784255011417 / Cコード:C0095 / 発売日:2019/12/19

岐路の前にいる君たちに
~鷲田清一 式辞集~

鷲田清一 定価: 1,760円(本体1,600円+税)

在庫: 在庫あり

未来はけっして明るくない。そんな気分が充満するなかで、
どうかこのことだけは心に留めておいてほしいという願いを込めています。
                          ——あとがきより

哲学者・鷲田清一が、大阪大学、京都市立芸術大学の入学・卒業式で、新しい世界に旅立つ若者へ贈った、8年分の人生哲学。

東日本大震災の2週間後、戸惑いのなかで話されたリーダーシップ論「… 請われれば一差し舞える人物になれ … 」も収録。

不安と希望が入り混じった若い人へ向けたメッセージはそのまま、私たち現代人が直面する仕事や人生の悩みに寄り添い、背中を押してくれます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

・自分が何を知っていて何を知らないか、自分に何ができて何ができないか、
 それを見通せていることが「教養」というものにほかなりません
                       2008年度 大阪大学卒業式

・もしリーダーに推されたとき、いつでも「一差し舞える」よう、
 日頃からきちんと用意をしておけ
                2011年度 大阪大学卒業式・学位記授与式

・同じ枠のなかでのゲームや競争に埋没していては、
 ほんとうの科学革命につながるようなすばらしい研究は生まれない
                       2009 年度 大阪大学入学式

・人をまとめ、平均化し、同じ方向を向かせようとする動きに、
 最後まで抵抗するのが、芸術だ
                   2015 年度 京都市立芸術大学卒業式

・問いはみなさんの内側にあるだけでなく、
 掘り下げていけば社会のさまざまな困難にも接続していきます
                   2017年度 京都市立芸術大学入学式

・困ったら、教えてもらう、手伝ってもらうということが、
 あたりまえのようにできる空気こそ、社会にもっとも必要なものでもある
                   2016 年度 京都市立芸術大学入学式

―――――――――――――――――――――――――――本書より抜粋――

目次

第1章 卒業式の言葉(問題の根を発見し、解決する力
枠の外の価値を見つけられる眼
他者の小さな声を聴き、応じることができるリベラリティ
社会の根底的な変化を感知するセンス
重要なのは優れたフォロワーシップ
芸術の根底にある民主主義の精神
全容を把握できないまま拡大し続ける社会
「わたし」の表現は「時代」の表現
感動や違和感を一つの確かな表現へと転換する)
第2章 入学式の言葉(わからないまま的確に問題に処するスキル
ほんとうの科学は思いやりのあるもの
タフな知性に必要な「複眼」
他者を他者のほうから理解しようとする想像力
社会の現場に想像力を届ける
アートは人びとをつなぐ生存の技法
「つくる」技を回復させる
体は世界を感知するセンサー)

著者紹介

  • 鷲田清一(わしだ きよかず)
    1949年京都生まれ、哲学者。京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得。2007~2011年大阪大学総長。2011~2018年京都市立芸術大学理事長・学長を歴任する。現在はせんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。医療や介護、教育の現場などに哲学の思考をつなぐ臨床哲学を提唱・探求する。
    著書に『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力―臨床哲学試論』(TBSブリタニカ)、『生きながらえる術』(講談社)など多数。2015年4月から朝日新聞で『折々のことば』を連載中。

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