第三の脳

  • 第三の脳
判型:四六判変型並製 / ページ数:224ページ / ISBN:9784255004013 / Cコード:C0040 / 発売日:2007/07/17

第三の脳
皮膚から考える命、こころ、世界

傳田光洋 定価: 1,650円(本体1,500円+税)

在庫: 在庫あり

感じるだけが皮膚の仕事ではない。皮膚は未知の思考回路である。

「第一の脳」は頭蓋骨の中にあります。「第二の脳」は消化器のこと。皮膚こそ「第三の脳」なのです。それほど高度な情報処理を行っているのに、きちんと論じられてこなかった皮膚。デカルトをもじれば、「皮膚思う、ゆえに我あり」とも言うべき、皮膚の潜在的な可能性を論じる、刺激的なサイエンス・エッセイ。

「脳」のある生物は限られています。動物、それもある程度複雑な構造をもった動物だけが、全身を統御するための神経システムと、その中心たる脳をもっています。一方、広義の「皮膚」がない多細胞生物はいません。ウイルスでさえ「殻」をもっていることがあります。生物にとって最も重要な器官は皮膚であると言っても差し支えないでしょう。(本文より)

目次

第一章 皮膚は未知の思考回路である
 皮膚とは何か/防御装置としての皮膚/防御装置をコントロールするセンサー/感覚器としての皮膚/女性の指先はミクロンレベルの不規則を嫌う/触覚の錯覚/色を識別する皮膚

第二章 表皮は電気システムである
 脳と表皮は生まれが同じ/感じ、考える皮膚/表皮は電気システムである/表皮細胞は電波を発信している/皮膚が老いるということ/痒い!

第三章 皮膚は第三の脳である
 第三の脳宣言/背中を掻く無脳カエル/自我をつくる皮膚/編在する脳

第四章 皮膚科学から超能力を考える
 東洋医学再論/皮膚科学から超能力を考える/眼以外の「視覚」/目利きの本質/気とは何か/テレパシーあるいは以心伝心

第五章 皮膚がつくるヒトのこころ
 環境と皮膚/アトピー性皮膚炎私論/こころはどこにあるか/皮膚がつくるヒトのこころ/こころと皮膚/こころを育む皮膚感覚

第六章 皮膚から見る世界
 皮膚の変遷——カエルからヒトへ/ヒトはなぜ体毛を失ったか/はだかの意味/顔の皮膚/境界としての皮膚/「非因果律的世界」を護る皮膚/皮膚が見る世界

著者紹介

  • 傳田光洋(でんだ・みつひろ)

    資生堂ライフサイエンスセンター主任研究員。1960年、兵庫県神戸市生まれ。京都大学工学部工業化学科卒業。同大学院工学研究科分子工学専攻修士課程修了。1994年に京都大学工学博士号授与。カリフォルニア大学サンフランシス校研究員を経て、2002年より現職。著書に『皮膚は考える』(岩波書店)がある。

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