仲谷正史、筧康明、三原聡一郎、南澤孝太
『触楽入門――はじめて世界に触れるときのように』(朝日出版社・刊)
『触楽入門――はじめて世界に触れるときのように』(朝日出版社・刊)
《つねにネットに接続し、皮膚感覚を失っていく私たち。
さわってないのに、わかったつもりになっていませんか?》
・触覚の錯覚は50種類超!
・さわり心地が思考をつくる?
・握手をするとき、握っている? 握られている?
私の感じている触感を記録し、再生する、 そんなツールキットをつくった「テクタイル」*が、
忘れられている触感の世界をご案内します。
私が感じる「この感覚」のふしぎに目をひらく、触感テクノロジーの最前線!
「この本は、触れるということの面白さを、だれでも気軽に試せる「問い」の形で紹介してゆきます。触感を意識化するための実践トレーニングや、身体を動かして試してもらう項目もあります。(…)本書を読んでいるみなさんが自分自身で感じながら考える、能動的に遊べる本として使っていただければと思います」(「はじめに」より)
★14ページにわたる「触感年表」(監修:山本貴光)を収録!
さわってないのに、わかったつもりになっていませんか?》
・触覚の錯覚は50種類超!
・さわり心地が思考をつくる?
・握手をするとき、握っている? 握られている?
私の感じている触感を記録し、再生する、 そんなツールキットをつくった「テクタイル」*が、
忘れられている触感の世界をご案内します。
私が感じる「この感覚」のふしぎに目をひらく、触感テクノロジーの最前線!
「この本は、触れるということの面白さを、だれでも気軽に試せる「問い」の形で紹介してゆきます。触感を意識化するための実践トレーニングや、身体を動かして試してもらう項目もあります。(…)本書を読んでいるみなさんが自分自身で感じながら考える、能動的に遊べる本として使っていただければと思います」(「はじめに」より)
★14ページにわたる「触感年表」(監修:山本貴光)を収録!
★お知らせ|トークイベントを行います
ご高評をいただきました!
書評| 三浦しをん氏(『朝日新聞』2016年3月20日朝刊読書面)
ふだんは「あって当然」と思いがちで、改めて意識することの少ない触覚・触感について、多角的に迫ったのが本書だ。(…)
交渉事の際には、硬い椅子よりもやわらかいソファに相手を座らせたほうが、こちらの要求が通りやすい、という実験結果があるらしい。やわらかい触感が、相手の態度を文字通り軟化させるのである。全国の社長よ、いますぐ御社の応接室のソファがふかふかか確認してください!(…)
新しい技術やデザインに、触覚・触感がどう採り入れられているのかなど、未来への希望を感じさせる話題も多く、わくわくする。視覚や聴覚をサポートする新技術が、続々と開発されているのだ。「触る」ことを意識すると、こんなに驚きや喜びがあるんだと、読みながら目から鱗(うろこ)ならぬ肌から余分な皮脂が落ちた(?)一冊だ。
ふだんは「あって当然」と思いがちで、改めて意識することの少ない触覚・触感について、多角的に迫ったのが本書だ。(…)
交渉事の際には、硬い椅子よりもやわらかいソファに相手を座らせたほうが、こちらの要求が通りやすい、という実験結果があるらしい。やわらかい触感が、相手の態度を文字通り軟化させるのである。全国の社長よ、いますぐ御社の応接室のソファがふかふかか確認してください!(…)
新しい技術やデザインに、触覚・触感がどう採り入れられているのかなど、未来への希望を感じさせる話題も多く、わくわくする。視覚や聴覚をサポートする新技術が、続々と開発されているのだ。「触る」ことを意識すると、こんなに驚きや喜びがあるんだと、読みながら目から鱗(うろこ)ならぬ肌から余分な皮脂が落ちた(?)一冊だ。
書評| 伊藤亜紗氏(『週刊文春』2016年3月19日号)
触感を研究するといっても、失われたものを取り戻そうとするノスタルジックな営みではない。量と速さで勝負する情報観が一段落した今、情報の質感や感情的な価値に注目が集まりつつある。そのような状況にあって、触覚は、この社会における情報のあり方をアップデートするキーワードでもあるのだ。(…)
本書の最大の特徴は、触覚の基本特性に関するさまざまな興味深い知見が、純粋な生理学的あるいは人間工学的な実験の成果としてではなく、ものづくりやワークショップといった人とかかわる活動とも連動して深められていることである。(…)
「すごい!」「おっ、これは?」といった体験を通して、触覚をめぐる知的な探求が始まる。本書全体を貫いているのは、まさにこうしたおどろきやときめきの瑞々しさである。詳細な触感年表も必読。
触感を研究するといっても、失われたものを取り戻そうとするノスタルジックな営みではない。量と速さで勝負する情報観が一段落した今、情報の質感や感情的な価値に注目が集まりつつある。そのような状況にあって、触覚は、この社会における情報のあり方をアップデートするキーワードでもあるのだ。(…)
本書の最大の特徴は、触覚の基本特性に関するさまざまな興味深い知見が、純粋な生理学的あるいは人間工学的な実験の成果としてではなく、ものづくりやワークショップといった人とかかわる活動とも連動して深められていることである。(…)
「すごい!」「おっ、これは?」といった体験を通して、触覚をめぐる知的な探求が始まる。本書全体を貫いているのは、まさにこうしたおどろきやときめきの瑞々しさである。詳細な触感年表も必読。
伊藤亜紗氏(『週刊文春』2016年3月19日号)より抜粋
書評| 瀬名秀明氏(『週刊朝日』2016年2月26日号)
若手研究者が集まって書かれた本書は、まず前半が触覚の話題のカタログだ。(…)短くてもはっとする事例が出てくる。視覚障害者の描いた水泳の絵に、手で掻いた多数の水の流れが表現されているのを見て、改めて触感の意味に気づかされる。(…)
著者らは技術を使って触覚の価値を拡張する活動に取り組んでおり、その成果を紹介した後半になると臨場感が増してくる。(…)
「触感のお土産は、私がそこにいた、ということの証拠になるものです」と記す感性は瑞々しくまっすぐで、そのまま著者らの伸びしろのようだ。いま人々は映画鑑賞の記念に模型や音楽を手元に置く。だがもし映画の一瞬の触感を切り取って持ち帰れたら? そんな未来にはきっと帰宅後の団欒も、きらきらと忘れがたいものになる。
若手研究者が集まって書かれた本書は、まず前半が触覚の話題のカタログだ。(…)短くてもはっとする事例が出てくる。視覚障害者の描いた水泳の絵に、手で掻いた多数の水の流れが表現されているのを見て、改めて触感の意味に気づかされる。(…)
著者らは技術を使って触覚の価値を拡張する活動に取り組んでおり、その成果を紹介した後半になると臨場感が増してくる。(…)
「触感のお土産は、私がそこにいた、ということの証拠になるものです」と記す感性は瑞々しくまっすぐで、そのまま著者らの伸びしろのようだ。いま人々は映画鑑賞の記念に模型や音楽を手元に置く。だがもし映画の一瞬の触感を切り取って持ち帰れたら? そんな未来にはきっと帰宅後の団欒も、きらきらと忘れがたいものになる。
本書で紹介した音声を聞くことができます。
p. 119 音の触感
どちらが水でどちらがお湯か、わかりますか?
Sample1
Sample2
本書の目次|
はじめに――触楽への招待状
1 触れるってどういうこと?
2 私たちは外の世界をどのように知る?――科学からみた触覚
3 なにかを感じるときいったいなにが起きている?――共通感覚としての触感
4 触感は世界と「わたし」をつなげている
5 実在感をつくり出す――テクタイル・ツールキットの発明
終章 触感の未来
付録 触感年表
はじめに――触楽への招待状
1 触れるってどういうこと?
2 私たちは外の世界をどのように知る?――科学からみた触覚
3 なにかを感じるときいったいなにが起きている?――共通感覚としての触感
4 触感は世界と「わたし」をつなげている
5 実在感をつくり出す――テクタイル・ツールキットの発明
終章 触感の未来
付録 触感年表
関連リンク|
- ●ラジオ「荻上チキ Session-22」に著者が出演しました! http://www.tbsradio.jp/15390
- ●mommo.tv 著者インタビュー http://www.mammo.tv/interview/archives/no367.html
- ●「テクタイル」ウェブサイト http://www.techtile.org/