それでも、日本人は「戦争」を選んだ
第9回小林秀雄賞受賞
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子 著
定価: 1,870円(本体1,700円+税)
在庫: 在庫あり
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かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。
世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争は
きまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた。
その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。
だからいま、高校生と考える戦争史講座。
日清戦争から太平洋戦争まで。講義のなかで、戦争を生きる。
*
生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、
自分が満州移民として送り出される立場であったなら
などと授業のなかで考えてもらいました。
講義の間だけ戦争を生きてもらいました。
そうするためには、時々の戦争の根源的な特徴、
時々の戦争が地域秩序や国家や社会に与えた影響や変化を
簡潔に明解にまとめる必要が生じます。その成果がこの本です。
……本書「はじめに」より
◆日本だけでなく、世界の人々がなにを考え、どのような道を選択したのか、
かつての人々が残した言葉をたどりながら、詳しく鮮やかに紐解いてゆきます。
縦横無尽に「戦争」を考え抜く。歴史の面白さ・迫力に圧倒される5日間の講義録◆
目次
序章 日本近現代史を考える
1章 日清戦争 —「侵略・被侵略」では見えてこないもの
2章 日露戦争 —朝鮮か満州か、それが問題
3章 第一次世界大戦 —日本が抱いた主観的な挫折
4章 満州事変と日中戦争 —日本切腹、中国介錯論
5章 太平洋戦争 —戦死者の死に場所を教えられなかった国